コロナ危機とドイツ経済(その5)〜労働市場〜

1.労働市場の概況

過去数カ月間に渡り、様々な関係者が労働市場に関して警告してきた事が、連邦雇用庁の統計により明らかになった。

3月から4月にかけて失業者数は、264万4千人と30万8千人増加した。前年同期比では、41万5千人増である。これにより、失業率は5.8%と+0.7%ポイント上昇した。

6月初旬、連邦雇用庁のデトレフ・シェーレ理事長は、労働市場が引き続きコロナ危機の圧力にさらされているとし、「失業率は5月も上昇を続けてはいるものの、4月程ではない。短時間労働は明らかに2009年の金融危機の水準を超えている。企業の新規求人数も未だ減少を続けている。」と語った。

具体的にみると、5月の失業者数は281万3千人と前月比で16万9千人増、前年同月比では57万7千人増加した。また、5月の失業率は6.1%1と前年同期比で+1.2%ポイントの上昇となった。

5月の失業給付金受給者数は、合計で105万8千人と前年同期比で36万4千人増加し、求職者基本支援(SGBII)受給者数は、402万7千人と7万5千人増加した。すなわち、2020年5月、ドイツに住む全生産年齢人口の7.4%が支援を受けたことになる。

短時間労働者数を算出する際には、企業が短時間労働導入前に短縮労働時間数の見込みを申告する必要がある。例えば、5月は106万人分の申告が行われた。3月及び4月には合計で1,066万人分の申告があったが、これが、必ずしも実際の支給額に反映されるとは限らない。3月、実際に支給された短時間労働手当は202万人分だった。4月、及び、5月の速報値は未だ発表されていないが、3月の短時間労働手当の支給額のみでも、2008年及び2009年の史上最悪の不況時の数字を既に大幅に上回っていた。

連邦雇用庁の報告書によると、求人数は58万4千人と前年比で20万8千人減少している。ドイツの人材需要を示す指標であるBAジョブ指数 (BA X)は、5月に94ポイントから91ポイントに低下し、昨年比では、38ポイント低下した。

この傾向は、職業教育訓練生の労働市場でも顕著に見られた。前年比で、職業訓練先への応募者数は3万9千人減、職業訓練先の求人登録数は4万6千人減少した。特に求人登録数の減少幅の大きかった職業訓練先は、外食産業やホテル業界、理容業、機械・工業工学、電気工学、商業、情報産業、食品流通業、道路運送業だった。3

2.失業率上昇の要因

連邦雇用庁の分析によると、失業者数増加の要因としては、コロナ関連の解雇だけではなく、新規雇用が減少した為、失業から脱することが困難になったことも挙げられる。また、解雇こそされていないものの、仕事がなくなり自営業者として働けなくなった人も失業者数に含まれている。5

同分析によれば、短時間労働対策が失業率上昇の緩和要因である事は間違いない。2009年の金融危機の際には、短時間労働者が140万人以上だったが、その後の様々な研究で、当時の失業者数の増加は短時間労働によって大幅に緩和されていた可能性が指摘されている。現時点で、短時間労働の申請数が金融危機の際の水準を顕著に上回っていることからも、解雇を回避することへの関心の高さが窺われる。6

しかし、専門家らは企業が債務超過に陥った場合には、短時間労働で失業率の上昇を回避することはできないと警告している。また、経済ショックが一時的なものに留まらず、構造的な危機にまで発展してしまうと、短時間労働で持続的に雇用を確保することは出来ないとしている。7

3.展望

連邦雇用庁の特別サービス部門である、ドイツ労働市場・職業研究所(IAB)は、政府関連者への助言や、調査結果に基づいて労働市場動向の予測などを行う。同研究所は、今後数カ月間で、失業者数は短期的に300万人を超過し急増する一方、年内には、再び一部減少傾向に転じるであろう、と予測している。年間平均の失業者数は前年比で最大52万人増加する予測で、これは、約23%の増加に相当する。経済・金融危機の時でさえ、2009年8月の増加率は前年同期比で約9%に過ぎなかった。次の図は、2020年5月、6月、7月の平均失業者予想数を前年同期と比較したものだ。ここでは、コロナ危機が労働市場に与えた影響に加え、その他景気上の影響、長期的構造変化、及び、人口動態の変化も考慮されている。また、同図では、地域差についても分かりやすく示している。

バーデン・ヴュルテンベルク州、バイエルン州、ヘッセン州、ラインラント・プファルツ州などの南部の連邦州やハンブルクでは、失業者数増加率は約39%以上と、特に急増する事を予測している。ブレーメン、ベルリン、チューリンゲン州を除く、その他の西ドイツの州では、昨年同期比で30~39%の増加を予測している。ブランデンブルク州、メクレンブルク・フォアポンメルン州、ザクセン州、ザクセン・アンハルト州、及び、ブレーメンで予測している失業者数の増加率は30%未満と低目。因みに、経済・金融危機時、2009年8月の最高失業者数増加率は、バーデン・ヴュルテンベルク州の34%(前年同期比)だった。8

6月初旬のインタビューでシェーレ理事長は、コロナ危機は連邦雇用庁にも構造変化をうながた、と説明した。通常であれば、短時間労働手当の申告・申請処理業務には700人足らずの従業員が対応していたが、現在は、その人員を約11,600人に増強している。「企業にとって連絡し易い体制を構築する必要があるので、通常4千人だったコールセンターの電話オペレーターを1万8千人に増員した。これと同時に、コールセンター、サーバー、在宅勤務の実現など、IT機能も大幅に拡張せねばならなかった。その為、従来の業務領域外でも、適切な指導を受けた上で担当してもいる従業員も多い。」

一方、財政面では、コロナ危機が連邦雇用庁を限界に追い込む可能性もある。「ピーク時の短時間労働者が750万人、年間平均を220万人とすると、年末には連邦政府から46億ユーロの融資か補填金が必要になる。正確な数字は、実際の短時間労働者数、短縮労働時間数、及び、期間などが明らかになって始めて分かるので、それまでには、あと数カ月の時間がかかる。」

それでも尚、シェーレ理事長は、短時間労働手当の申請のピークは既に過ぎており、まず、大量失業の生じる恐れはないとした上で、景況悪化の原因は構造的欠陥ではなくパンデミックなので、遅くとも、ワクチンさえできれば、克服できるはず、それ故、労働市場は中期的には回復に向かうであろう、と予測している。9

出所

1 Bundesagentur für Arbeit; Entwicklung des Arbeitsmarkts 2020 in Deutschland  (last viewed on June 26, 2020)
2  Statistisches Bundesamt; Entwicklung der Erwerbstätigenzahlen (last viewed on June 26, 2020)
3 Bundesagentur für Arbeit; Der Arbeitsmarkt im Mai 2020 (last viewed on June 26, 2020)
4 Bundesagentur für Arbeit; Monatliche Zeitreihen zum Arbeitsmarkt in Deutschland   (last viewed on June 26, 2020)
5 Frankfurter Allgemeine Zeitung; Warum die Arbeitslosigkeit steigt (last viewed on June 26, 2020)
6 Institut für Arbeitsmarkt und Berufsforschung (IAB); Kurzarbeit, Entlassungen, Neueinstellungen: Wie sich die Corona-Krise von der Finanzkrise 2009 unterscheidet (last viewed on June 26, 2020)
7 Institut für Arbeitsmarkt und Berufsforschung (IAB); Kurzarbeit in Europa: Die Rettung in der Corona-Krise? Ein Interview mit IAB-Forscherin Regina Konle-Seidl  (last viewed on June 26, 2020)
8 Institut für Arbeitsmarkt und Berufsforschung (IAB); Regionale Arbeitsmarktvorausschau (Stand: Mai 2020) (last viewed on June 26, 2020)
9 ZDF; BA-Chef Scheele - Finanzielles Defizit und personelles Umdenken  (last viewed on June 26, 2020)

コロナ危機とドイツ経済(その4)〜MICE業界編〜

1.市場の現況

ハルツ大学の欧州展示会産業研究所(EITW)の調査によると、ドイツのMICE市場における参加者数は、近年継続して増加し、2019年には、4億1200万人から4億2300万人へと前年比2.7%増となった。同時に国際化も進展し、2019年の海外からの参加者数は4320万人と、2018年比で15.9%増となった。

コロナ危機により、今年3月初旬以降、主要なイベントは軒並み中止され、今後の開催に当たっては、同業界にとってほぼ対応不可能な厳しい制限が課されるため、この堅調な傾向は突然の中断をよぎなくされた。MICE業界団体である見本市・展示会建設業協会(FAMAB: FAchverband Messe- und AusstellungsBau)のヤン・カルブフライシュ常務理事は、5月末に政治家やメディアは殆ど注目していないが、深刻な状況が継続していることについて、次の様に語った。

「4ヶ月後には業界6割の企業が流動性不足に陥るであろうと、これまでも繰り返し指摘してきたが、今、正に、その危機的な局面に差しかかりつつある。」と述べ、6月以降25万人が解雇されなければならなくなる、という危機感を訴えている。

その理由の一つに、連邦、および、州政府の資金援助では、同業界を効果的に支援出来ないことがある。第一に、現在の資金援助の上限や売上損失額の計算方法にはMICE業界の特殊性を考慮した調整がなされていないため、多くの企業が支援対象から除外されてしまっている。また、資金援助の上限は月5万ユーロだが、従業員250人の企業の場合、同額は従業員1人当たり200ユーロにしかならない。従業員100人規模の企業が、いくら社内コストの削減に努めたとしても、概算20万〜25万ユーロの損失を計上しているのが現状である。

このようなことから、同協会は、現状の支援策では企業倒産および雇用損失を阻止出来ないのではと危惧している。そこで、毎月年間売上高の2%に当たる固定費補助金の給付、及び、手続きが簡素で即時実現性のある損失繰越を要請している。同業界は、数千人の雇用を確保しているだけでなく、イベント訪問客らの消費により100億ユーロを上回る付加価値税収入も生み出している事を忘れてはならない。2  ドイツ見本市主催者の売り上げ総額は約40億ユーロと推定され、ドイツは世界でも最も重要な見本市開催地の一つとなっている。展示会とライブコミュニケーションのための研究所(R.I.F.E.L.)は、見本市ブース建設部門で6億7千ユーロ、見本市産業全体では16億ユーロを上回る被害を予測している3

2.出口シナリオ

EITWの調査は、MICE業界の将来を描くシナリオをとして、より楽観的なシナリオとより悲観的なシナリオを提示している。同調査によれば、2020年3月30日迄時点において、今年予定されていたイベントの過半数が中止された。状況が改善すれば、予定されていたイベントの3分の1が延期した後、開催されるという。但し、これは、大規模なイベントに関して言える事であり、小規模なイベントについては、即座に中止、若しくは、バーチャルイベントに変更されたものが殆ど。より楽観的シナリオによれば、コロナバンデミックのピークが6月から8月に訪れる事を前提に、MICE市場は年末までに回復し始める事が予測されている。しかし、厳しい制限が課される中、実際にイベントを再開出来るのは、予定の3分1程度に留まると予測している。そして、年内にイベントを正常通り開催できるのは小規模なイベントのみであり、大規模なイベントが正常に戻るのは翌年の2月から5月になると予測している。

より悲観的なシナリオでは、12月迄に予定されていたイベントの約9割が中止され、2021年夏まで市場が回復しない予測となっている。前述のシナリオと同様、回復するのは、当面、小規模なイベントのみで、大規模なイベントに関しては、2021年秋まで市場の回復は期待できないとしている。4

3. 展望

EITWの調査では、市場の現状と将来予測を行うだけでなく、MICE業界が今後どのように変化していくかについても取り上げ、イベントの開催に関してもデジタル化の重要性が着実に増えると見込んでいる。同調査によると、デジタル形式で開催するイベントの重要性に関する意見を比較した結果、コロナ危機の影響で、デジタル形式に将来性を見出せるという回答が短期間で47%から75%に増加している。更に、危機前には、ハイブリッドのイベント形式に将来性を見出せるという回答は3分の1にも満たなかったのに比べ、3月初旬には、既に、対象者の6割がその潜在性を見出せると回答している。4

シュプリンガープロフェッショナルのデジタル専門ライブラリーは、代替案としての仮想見本市に関する記事で、B2B向け見本市の来場者の大半は、コロナ危機以前から、事前にインターネット検索をして、イベントや出展者についての情報を入手していたことを指摘している。ひいては、見本市の来場者にとって、特に今回の危機状況下、見本市が完全にデジタル化される事自体、実に理に適った緊急解決策となる可能性が高いという。例えば、ドイツ最大手の投資信託会社ファンドファイナンス社をはじめ会議主催者の多くは、デジタル化を既に導入し、仮想見本市開催中にインターネットでウェブセミナーや講演を無料でストリームできる様に提供したという。但し、イベントの完全な仮想化により、主催者に過大な費用負担がかかる事を忘れてはならない。従って、バーチャルイベントに加え、ソーシャル・オーソリティとソーシャル・セリング、特に後者は、ダイレクト・マーケティングと同様の効果を秘めているため、危機的な状況下にある主催者にとって局面を打破する好機となり得よう。ソーシャルメディアがこのような施策を導入するには時間がかかるが、見本市主催者が専門見本市で行うことと同様に、特定のターゲット層に直接アプローチ出来るというメリットもある。しかしながら、現状のバーチャルイベント形式が、緊急解決策の域を越えることが出来ない理由は、統合されたブランド体験の欠如にあり、イベントに実際参加しなければ、あるいは、最低限、拡張現実(AR: Augmented Reality)や仮想現実(VR: Virtual Reality)などの技術的ソリューションがなければ、そのギャップを埋める事は出来ない。5

デスティネーション・コングレス・マネージメントの教授であり、EITWの責任者でもあるミシャエル・タデウス・シュライバー氏は、小規模なイベント形式の方がより迅速に正常化すると予測しており、それにより、大都市圏の地域経済クラスターや地方のグリーンミーティングに恩恵をもたらすであろう、と述べている。しかしながら、彼は、デジタル形式が従来の実際(リアル)の見本市やイベントに完全に取って代わるとは考えていない。

「いくら「デジ・ハイプ(デジタル化・誇大広告)」とは言っても、今回の危機は、デジタル化の限界も明示している。会議一つを取ってもそうだが、短期間で集中力は顕著に低下する。どんなに頑張ったところで、1日に3回のビデオ会議をこなせば、“ソーシャル・プログラム”が恋しくなるものだ。しかし、バーチャル空間には、我々が五感を通じて様々な感情を共有することが出来る人がいる訳ではない。ビジネスを成功させるために、また、個人が満足感を得るためには、生のコミュニケーションが不可欠なのである。つまり、我々イベント業界は単なる“社会機能の維持に必要不可欠”なだけではなく、“人間にとって必要不可欠”であると言っても過言ではないだろう。会議の場を通して人間性を養い高めようではないか。」

シュライバー氏は、カンファレンスやコングレスの存在をPRし、イベント主催者に適切な会場やイベント代理店を如何に効率的に案内するかという点で、コンベンション・ビュローの担う役割の重要性が将来的に高まる、と予測している。更に、コンベンション・ビュローは、MICE市場調査に基づき、効率的なターゲット層設定に努め、新規のイベント形式、および、コミュニケーションの手段を開拓していかなければならない、としている。その観点からも、連邦各州および地方自治体が、資金および人材支援を削減しない限り、コンベンション・ビュローは、今後、益々イノベーションおよびモーチベーションの源泉となっていくであろう、としている。従って、シュライバー氏はMICE業界が、コロナ危機を巧みに乗り越え、一層強化されていくことに期待を寄せている。6

 

6月はMICE業界にとって、連邦、および、州政府の補助金が、実際、如何に効率的に企業の倒産を阻止する事が出来たかを見極める上でも重要な月となる。また、出口シナリオ如何によっては、同業界が2019年の堅調な業績水準に戻るのに、どれくらいの期間が必要かも明らかになるであろう。

 

出所:

1  Europäisches Institut für TagungsWirtschaft GmbH (EITW): Meeting- & EventBarometer 2019/2020 – Studie ( last viewed June 10, 2020)
2 Expodatabase; "Jetzt wird es richtig ernst“ Jedes zweite Unternehmen geht unter  ( last viewed June 10, 2020)
3  Börse ARD; Coronavirus: Wer unter der Krise richtig leidet ( last viewed June 10, 2020)
4 German Convention Bureau (GBC); Deutscher Business Event-Markt im Wandel (last viewed June 10, 2020)
5 Springer Professional;  Corona-Krise lähmt auch die Messebranche  ( last viewed June 10, 2020)
6 EventCrisis; Mehr Menschlichkeit mit Meetings  ( last viewed June 10, 2020)
7 Szenariographiken: Europäisches Institut für TagungsWirtschaft GmbH (EITW); Auswirkungen Corona-Virus (last viewed June 10, 2020)

「コロナ危機とドイツ経済(その3)〜中小企業編〜」を掲載しました!

1.市場状況

コロナ危機における制限措置の緩和は全ての企業、とりわけ中小企業にとっては救いの手だ。とは言え、ドイツ中小企業協会(Deutscher Mittelstandsbund )のマーク・テンビーク会長は、業界を問わず多くの企業にとって先行きは依然として不透明であり、倒産の波を回避するためには、連邦政府および州政府の支援策に加え経済刺激策を実施しなければならない事を強調し、「経済回復を目指すのであれば、中小企業全体を強化しなければならない。というのも、ドイツの中小企業は1700万人以上の被雇用者と125万人の職業訓練生を擁する雇用の原動力であり、ドイツ経済の担い手だからだ」と指摘した。1

IFOの推計は、ロックダウン措置が長期間継続し、その結果、支払不能が生じた場合、6ヶ月以内に廃業を強いられる企業の割合を測定している。それによれば、調査対象企業のうち29.2%が3ヶ月以内の廃業を危惧しており、52.7%の企業が、最長6ヶ月間事業継続可能と回答した。4月の調査では、小売業の44.9%が最長3ヶ月、63.2%が最長6ヶ月は経営継続可能と回答しているところを見ると、制限措置の段階的な解除はこの部門にとって大きな救いになる事であろう。同アンケート調査によれば、1実際、8%の企業は既に、解雇や有期労働者の契約打ち切りによる人員削減を余儀無くされたという。2

一方、連邦経済技術省は、3段階の計画で倒産の波に備えており、これまでの金融支援策が企業の倒産を防ぐのに十分でない場合には、必要に応じて、融資の拡大、税制優遇、あるいは、無利子納税猶予等の措置で対処することが出来るとしている。3

コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニードイツ支社は4月末にあらゆる業界の中小企業522社を対象にアンケート調査を実施した。その結果、ほぼ56%の企業が業務再開をしていないか、部分的のみの再開であるにも関わらず、また、73%がサプライチェーンの寸断の影響を受け、63%が今四半期も引き続き売上高減少を予想している一方で、約77%が将来について楽観的な見方をしているという事が示された。また、11%の企業においては利益が計上されたという。4   5月のIFO企業景況感指数も前月を若干なりとも5.3ポイント上回る79.5ポイントに上昇し、楽観的見方が高まっている事を示唆している。5

2.デジタル化とリショアリング(生産拠点の国内回帰)

マッキンゼー社のアンケート調査結果が示すように、コロナ危機は支払不能を引き起こすだけではなく、日常の労働生活や企業構造にも一定の構造変化をもたらしている。例えば、コロナ危機の結果、中小企業にとってデジタル化の重要性が高まり、その結果、目下、中小企業の68%が独自のデジタル製品やサービスを備えた全く新しい事業領域を計画、あるいは、実施しているという。「中小企業の37%が危機に対応して製造工程を自動化したいと考えており、45%が5Gに、36%がモノのインターネット(IoT)に、さらに36%が人工知能(AI)に投資したいと考えている。」 尚、81%が自分の働き方が全体的に柔軟化すると想定していた。

また、サプライチェーンの深刻な寸断により、あらゆる業界の4社に1社以上の企業が、サプライチェーン全体の少なくとも一部を地域化するため、リショアリング対策を検討するようになったという。そうは言っても、今回の調査では、IT、通信、金融、および、保険サービス部門にその傾向が強く、これら部門の約7割がリショアリングの選択肢を検討しているのに対し、自動車、および、プラントエンジニアリング、機械工学業界では約5割しかその選択肢について検討していない事が分かっている。

IFOは月報で、特に、サプライチェーンの寸断が深刻な影響をもたらす可能性のある医療品の輸入に関し、ドイツのサプライチェーンの多様化を歓迎した。5カ国以下からの輸入品は輸入全体の3.6%に過ぎず、そのうち、44%がEU諸国から輸入しているという事だが、それでも、EU域内での自由な物資移動の拡大は景気回復のために不可欠である。ドイツ国内生産の17%は国際的なバリューチェーンを介して行われているため、欧州の生産ネットワークがドイツにとっても非常に重要な役割を果たす訳である。

懸念は残るものの、パンデミック制限措置が緩和されたことにより、中小企業の間ではある種の楽観的見方が定着しつつあるようだ。中小企業がどの程度存続できるかは、とりわけ、措置緩和の持続性にかかっている。もし、完全ロックダウンが再導入された場合、将来の見通しは見直されなければならない。しかしながら、同危機は、デジタル化の進捗、働き方や企業構造の柔軟化など、いくつかの進歩も齎しているように思われる。

出所

1 DMB Deutscher Mittelstandsbund; DMB begrüßt Bund-Länder-Beschluss und fordert branchenübergreifendes Konjunkturprogramm (last viewed on May 27, 2020)
2 IFO Schnelldienst; Konjunkturumfragen im Fokus: Coronakrise trifft deutsche Wirtschaft mit voller Wucht (page 58-59 (last viewed on May 27, 2020))
3 Bundesministerium für Wirtschaft und Energie; Überblick BMWi-3-Stufen-Plan (last viewed on May 27, 2020)
4 McKinsey & Company Deutschland; Umfrage - Unternehmen wollen nach Corona digitaler werden (last viewed on May 27, 2020)
5 Ifo-Geschäftsklimaindex;Unternehmen mit steigenden Erwartungen (last viewed on May 27, 2020)
6 IFO; ifo Institut erwartet stärkere Diversifizierung der deutschen Lieferketten (last viewed on May 27, 2020)
7  IFO Schnelldienst; Status quo und Zukunft globaler Lieferketten (page 17 (last viewed on May 27, 2020))

「コロナ危機とドイツ経済(その2)~旅行・ホテル業界、外食産業編~」を掲載しました!

1 観光産業における制限緩和

コロナウイルス対策でとられていた制限は解消に向かっているものの、未だ多くの分野において多大な制限が残されている。依然として渡航制限を実施している国も多くあり、各国からドイツへの帰国が妨げられたり、大幅に遅れたりしているのが現状である。このため、連邦外務省は2020年6月14日迄の間、不要不急の観光旅行を避けるよう勧告している。1

また、欧州連合(EU)域内国境では依然として検問が行われている。ホルスト・ゼーホーファー ドイツ連邦内務大臣は、2020年5月16日から国境検問を段階的に緩和することを決定したが、国民に引き続き不要不急な旅行を避けるよう警告している。コロナ感染者数が落ち着いた状況が持続すれば、2020年6月15日までに国境検問が解除される。2

この様な状況にも関わらず、一部の航空会社は既に、全路線ではないにしても、一部路線の再開を発表している。例えば、ライアンエアーは、制限緩和の条件付きで2020年7月1日から全路線の40%の運行を再開すると発表した。アイルランド、英国、EU間の路線はこれまで1日30便に制限されていたが、それ以降、1日約1000便が欧州のほぼ全拠点から離陸できるようになる。3

ルフトハンザドイツ航空、スイスエア、ユーロウイングスの三社は6月の増便を発表し、マヨルカ島などのバカンスの観光地を含むドイツ、および、欧州計106都市と国際線(欧州以外)20都市に就航、6月末迄には更に週1800便に増便する予定だ。4 そのために、旅客機は現在の80機から160機に倍増するとしている。5

また、大手旅行会社TUI社も、目下観光事業の再開に向けて準備を進めている。フリッツ・ユーセン最高経営責任者(CEO)は、インタビューに応じ、フライト、ホテル、クルーズ船運航の制限自体は、今後も継続されるであろうとするものの、EUの制限が緩和され次第にこれらの事業は再開される可能性があるとしている。更に、衛生面での対策、客室割当の削減、スポーツやレジャー活動の縮小や変更などに加え、クルーズにおいては陸上ではなく、海上のクルーズ日数を増加すべきであるとしている。6 TUI社は2020年5月25日から国内観光事業を再開する予定としている。7

2 観光産業の展望

連邦各州は、時期こそ様々ではあるが、概ね5月中旬から下旬にかけて、距離規制や衛生対策などの条件が満たされ、管理されていることを前提に、観光客向けのホテルや宿泊施設での宿泊を許可している。共同(大部屋)寝室、プール、スポーツエリア、サウナは全般的に閉鎖しなければならない。殆どの州において、制限は最長でも6月中旬まで適用される予定だが、ニーダーザクセン州では8月迄継続される。8

連邦観光業専門能力開発センターは、4月末に今後の観光業界の経済動向に関する、楽観的、現実的、および、悲観的なシナリオの予測を発表した。 各シナリオの展開は、旅行(移動)制限の推定期間に大きく影響される。

同予測によれば、観光産業は規制緩和まで引き続きごく限定的な売り上げを記録し続けるであろうが、その後、売り上げは再び急上昇する可能性がある。2020年8月には国内観光の制限緩和局面が完了している可能性もあり、その場合、旅行制限が更に解除される事も期待される。2021年イースター休暇迄に国内観光が正常化している可能性もあるが、現時点の分析では、世界レベルでの状況は同時期にようやく緩和し始める事が想定されている。

同シナリオによれば、最善のケースで6月中旬までに国内観光客の予約売上高が前年同期の60%の水準に戻り、最悪のケースでは、制限緩和局面が年末まで継続し、予約売上高は(前年同期の)30%にとどまる事が予測されている。観光業の回復は最善のケースでも6月中旬から9月末に見込まれ、予約売上率は80%にとどまるであろう。その場合、同業界の正常化は本年10月から12月になろう。しかしながら、制限緩和局面が実際12月末まで継続した場合には、同業界の回復は2021年まで期待できず、予約売上高は50%程度にとどまるであろう。その場合、正常化は2022年1月かた2023年10月の間までかかることになろう。

国際観光業は、緩和局面において、(前年同期の)予約売上高の20%から40%を記録し、2020年10月から2022年7月の間に予約売上高の30%から70%に回復し、その後、シナリオに応じて2021年1月から9月の間、あるいは、2024年10月までに正常化に戻るであろう。9

しかしながら、観光産業の実際の動向は今後の感染状況の動向にかかっている。ドイツ観光学協会のユルゲン・シュムーデ会長は、観光が新たな感染の波を引き起こす可能性があり、その結果、再度制限が導入されることもあり得ると指摘している。ホテルやレストラン、あるいは、海岸においても距離を保つことは出来るが、観光地において、日帰り観光、あるいは、それらの人々の集団を管理することは困難であろう。シュムーデ会長の見解によれば、 観光産業におけるもう一つのリスクは業界内での価格競争が起こる可能性である。観光客誘致のために価格競争が起これば、実際のロックダウンと同様、業界にとって壊滅的な打撃となる可能性があるという。10

制限緩和は、ホテル・外食産業の生き残りに不可欠のようである。ドイツ連邦ホテル・外食産業連盟(DEHOGA)のグイド・ツェリック会長は4月末、ドイツのホテル・外食産業の失業率が前年同月比で208.2%上昇し、100万人以上の従業員が時短労働し、更に、これまで支給された資金支援が十分でなく、或いは、実際支給されなかった、若しくは、3月分の時短労働補償金の払い戻しが殆どの企業に行われていないと語った。11

従って、ドイツ連邦ホテル・外食産業連盟(DEHOGA)は、5月6日、今回の緩和について「個別の連邦各州でようやく外食産業の再開に向けた具体的な見通しが見えてきたことを歓迎する。ほぼ全ての企業は、過去8週間の閉鎖期間、売上はゼロであるにも関わらず、高い固定費が継続する状況に悩まされていた。それ故、ここで、各州総理大臣が国民の健康への責任と、経済への責任のバランスを考えて、行動してくれることは、正当、かつ、適切である」と肯定的にコメントした。同時に、同業界の多くの企業は政府の支援なしには生き残りの展望は見出せないため、引き続き政府の支援を要求した。12

慎重な楽観論にも関わらず、ドイツ経済の今後の動向、および、各企業の存続はコロナ感染の動向にかかっている。感染者数が再増加せず、緩和措置が覆されることがなれば、同業界は、緩和に伴い徐々に回復するであろう。とは言っても、外食産業、宿泊施設、観光業においては、依然として、ここで「徐々に」を強調せねばならないであろう。というのも、これらの業界においては、当面は稼働率が100%を大幅に下回るであろうし、ましては、顧客が、衛生・予防措置にどれくらい理解を示すか、あるいは、それ以前にそれらを受容するかどうかも現時点では分からないためである。

出所

1 Auswärtiges Amt; Weltweite Reisewarnung für nicht notwendige, touristische Reisen (last viewed on May 20, 2020)
2 ZDF Nachrichten; Grenzen öffnen - aber nicht für Urlauber (last viewed on May 20, 2020)
3 Ryanair; Ryanair to restore 40% of scheduled fights from 1 July (last viewed on May 20, 2020)
4 Lufthansa; Lufthansa Group baut Angebot mit Juni-Flugplan deutlich aus (last viewed on May 20, 2020)
5 Frankfurter Allgemeine Zeitung; Lufthansa plant deutlich mehr Flüge ab Juni (last viewed on May 20, 2020)
6 TUI Deutschland GmbH; Interview mit Fritz Joussen (TUI Group CEO) (last viewed on May 20, 2020)
7 TUI Deutschland GmbH; AKTUELLE REISEINFORMATION: TUI INFO CORONAVIRUS ( last viewed on May 20, 2020)
8 DTV Deutscher Tourismusverband; Länderverordnungen zum Verbot touristischer Vermietungen ( last viewed on May 20, 2020)
9 Kompetenzzentrum Tourismus des Bundes; Recovery-Check #2: Binnentourismus erholt sich deutlich früher als der internationale Tourismus (last viewed on May 20, 2020)
10 Wirtschaftswoche; „Tourismus wird nach Corona nicht derselbe sein“ (last viewed on May 20, 2020)
11 DEHOGA Deutscher Hotel- und Gaststätten Bundesverband; Aktuelle Zahlen zu Kurzarbeit und Arbeitslosigkeit - Corona-Schock im Gastgewerbe (last viewed on May 20, 2020)
12 DEHOGA Deutscher Hotel- und Gaststätten Bundesverband; DEHOGA begrüßt konkrete Öffnungstermine für Restaurants und Hotels (last viewed on May 20, 2020)

「コロナ危機とドイツ経済」を掲載しました!

コロナ危機とドイツ経済

1) 国内外の経済動向への一般的な影響

経済への影響を最も明瞭に見て取れるのは株式市場だ。BBCによると、3月にはダウ平均株価とFTSE100種総合株価指数は1987年以来1日で最大の下げ幅に見舞われた。1 「投資家はコロナウイルスの蔓延により経済成長が阻害される事を恐れており、政府の行動だけでは景気後退を食い止めることは出来ないかもしれない」としている。迅速な対応策としては、多くの国の中央銀行が金利を下げ、資金調達コストを軽減する事により消費を促進し、景気回復を図った。2

経済協力開発機構(OECD)の予測によると、経済成長は大幅に減速し、「今年は2009年以降で最も低い水準」に達する可能性があるという。また、2020年の成長率は2019年11月予測比で0.5%減少することを示している。多くの産業が中国産業に依存している為、もし、先進国経済への影響が中国の直面した混乱と同様の深刻さになった場合、2020年の世界経済の成長は1.5%まで減退し、当初の予想の半分近くになる可能性があるとOECDは警告している。3

大打撃を受けた旅行業界

ウイルスの拡散防止の為に、航空会社は航空便を減便し、旅行者は休暇や出張のキャンセルを強いられた。また、各国の政府は緊急の旅行のみを許可するという完全なロックダウンのレベルまで旅行を制限した。旅行制限に加えて、EUは国境を閉鎖し、EU圏外からの入国を許可していない。これらにより、旅行業界には大きなダメージを与えている。航空旅客市場の分析によると、フライト数は80%減少し、業界全体の旅客キロメーター収入(RPKs)は近年史上最大の減少を記録した。季節調整後の世界旅客数は2006年に記録された水準まで減少した。更に、仮に旅行禁止が解除されたとしても、当初は航空券の予約に対して消極的な姿勢は維持されるだろうと、業界は予想している。5

危機に瀕している飲食・ホテルサービス業

当初、自宅自粛の推奨によりレストランやホテルの予約は減少したが、その後、国際的なレストランの閉鎖により、業界の収入がほぼ100%損失されるという深刻な状況に陥った。レストランの経営者は可能な限りテイクアウトやデリバリー・サービスを提供する事で、最低限の収入を確保する努力をしている。6

経済は更なる成長率の減少だけでなく、サプライチェーンの途絶という危機にも晒されている。これは、製造業を始め医療分野からスーパーマーケットに至るまで、あらゆる分野に影響を与えている。欧州委員会はEU加盟国との協力のもと、コロナ危機によるサプライチェーンの途絶への対処策を試みている:

「輸送形態に関わらず、欧州委員会は加盟国と協力のもと、経済の継続性を確保し、物流とサプライチェーンを保証し、必要不可欠な移動を確保し、更には、EU圏内市場の機能と輸送の安全性を確保する方法について検討している。」7

1.1) ドイツで特に影響を受けている部門

ここ数十年間における経済危機や自然災害に比べ、コロナ危機のドイツ経済への影響ははるかに広範囲に及ぶものと予想される。ドイツの経済研究機関であるIfoは、「生産損失、時短、失業者の増加、また、(部分的であったとしても)経済活動停止の期間によっては、国内総生産(GDP)は7.2 〜20.6%減少するだろう。これは、約2550〜7290億ユーロに相当する。」との予想を発表している。8

EU全体では、サービス部門と貿易部門へのダメージが一番大きいようだ。食品小売業とドラックストアを除くサービス部門のIfoの景況感指数は、2005年指標開始以来最低水準に低下している。貿易部門では景況感指数が急落したと報告されている。「予想値は東西ドイツ統一以来の最低水準に急落した。」

製造部門の指標も2009年8月以来の低水準に落ち込み、ドイツ統一以来ここまで落ち込んだことはなかった。多くの企業が減産を発表している。建設部門へは現状大きな影響はなかったようだが、同セクターでも見通しは悪化している。9

2020年3月初旬時点のメディアの報道では、ドイツ経済にあまり劇的な影響があることは予想されていなかったが、同月末にはほぼ全ての新聞の見出しで、深刻な景気後退は避けられない、最悪の事態には、GDPは5.4%減少すると発表している。4社に1社の大手企業が時短対応せざるを得なくなり、中堅企業の10社に1社が倒産の危機に迫られていると報じられている。 10

2) ロックダウンの必要性

コロナウイルスの経済への影響は、渡航制限やロックダウンが必要か否かという疑問に繋がるかもしれないが、どの国も感染者数が過剰に増加するまでは同措置を避けようとした。ドイツでは、三月初旬から中旬にかけて、全国的に渡航制限と社会活動の禁止が実施された。 連邦各州、例えば、バイエルン州では外出禁止令を含む更に厳しい規制が実施された。また、イエナ市では、市として初めて、4月初旬からスーパーに行く際のフェイスマスク着用を義務付けた。4月27日からは、公共交通機関を利用する際や店舗に入る際には、フェイスマスクの着用が義務化された。12

新型コロナウイルスとインフルエンザの危険性はよく比較されており、欧州諸国では一般的に疾患の経過が穏やかに見えているにも関わらず、ロベルト・コッホ研究所の所長は、両ウイルスはほぼ比較にはならないと警告している。インフルエンザは危険だが、新型ウイルスの疾患負担は遥かに高く、拡散も早く、疾患の経過も重く、死亡例が増加すると述べている。未だワクチンや有効な治療薬がないため、人工呼吸器や集中治療室の病床数が不足することになるのではないかという懸念にも、根拠が無いわけではない。13 対応策を実施しなければ、一人の感染者当たり2.5人にウイルスを拡散すると言われている。14

WHOの統計を見る限り、COVID-19ウイルス感染者のほとんどは軽症で、集中治療を必要とせず回復する。約8割の研究室が、患者は肺炎以外の症例や肺炎の症例も含む軽症〜中症ということを確認しているという。患者のうち13.8%が重症化し、6.1%が危篤化(呼吸不全、敗血症性ショック、および、または、多臓器不全等)していると報告されている。15

現時点の数値自体は懸念に値しないように見えるかもしれないが、感染率の上昇に伴い医療制度へのプレッシャーは制度崩壊の危機に晒されるまで上昇していく。

インペエリアルカレッジのCOVID-19ウイルス対策チームの研究によると、1918年世界全体が同様のパンデミックウイルスに直面した際のロックダウン対策は、公共の場や施設を閉鎖したり、社会的接触を最小限にしたりするなどのロックダウン対策を実施しなかった場所に比べて、感染の拡大と全体の死亡率を減少させたという。ワクチンや効果的な治療薬がなくとも、現代の感染研究の知見と組み合わせると、次の二つの戦略が最も効果的であろうと考えられる。感染拡大を緩和し、最もリスクの高い人々を保護する戦略と、感染者数を低水準に減らし、その低水準を維持するために、感染拡散を抑制する戦略の二つである。

前者の選択肢では、ピーク時の医療需要を減少することはできるが、それは、エピデミックの拡散をある程度遅らせる事が出来るに過ぎない。従って、同研究の結論は、最適な緩和政策(感染が疑われる人の自宅隔離、また、その同世帯に住む人々の自宅自粛、高齢者や重症化のリスクが最も高い人々のソーシャル・ディスタンシング(社会距離)を組み合わせる事)によって、ピーク時の医療需要を3分の2に減少、死亡者数を半減させる事が可能になるであろうというものである。しかし、その結果として感染症は緩和されたとしても、何十万人もの死者は出て、医療制度、特に集中治療室においては、許容量の数倍の負担が強いられることになろう。

同研究によると、緩和策を講じない前提で、イギリスの感染拡大と感染致死率を計算すると、感染率が85%、51万人がCOVID-19で死亡することが予測され、医療制度の崩壊による致死率の上昇を更に加算しなければならないという。数字こそ異なるであろうが、同研究結果は、ドイツ、及び、その他の医療制度がよく機能している高所得国家に適用することが出来るであろう。

図示は、緩和策と抑制策を組合せることで、医療制度にかかる圧力をどれだけ軽減出来るかを示している。16

現時点では、ドイツにおける制限規制は最短でも5月10日迄有効とされている。 (2020年4月30日決定) 17 しかし、制限を解除すると感染率が再上昇するであろうことを勘案すると、インペリアルカレッジの研究チームは、ワクチンの十分な在庫が確保できるまでは、制限を継続すべきとし、それには18カ月以上かかる可能性があることを示唆している。18

3) ドイツ政府はいかにして経済的損失に対処するか

コロナ危機の影響では、中小企業の潜在的な損失による経済的なダメージが非常に大きいことは明白である。HDE(ドイツ貿易協会)は、連邦経済・エネルギー大臣に宛てた書簡で、特に小売業者やその店舗が収入の損失により継続的な家賃費用を支払えなくなることを懸念している。19

従業員の給与の支払いが出来なくなる、生産、及び、サプライチェーンが維持出来なくなる等、様々な理由で廃業を余儀なくされる中小企業や自営業者を守るために、様々なレベルで補助金や融資が供与されてきた。

連邦各州は中小企業や自営業者を対象に独自の緊急経済支援を実施し、その額は企業の規模に応じて3000ユーロから6万ユーロとなっている。経済支援額は州により大きく異なるが、連邦各州の支援に加えて、連邦政府は更なる対策を実施している。20

政府は医療・経済保護対策や研究プロジェクトのための補正予算を成立した。3620億ユーロに対して4845億ユーロの総支出のうち、500億ユーロが中小企業支援のために支出されるという。これは、所謂、橋渡し的な支援を目的としており、「単独自営業者」、小規模企業、小規模起業家を対象に、同支援なしでは存在が脅かされる場合に支給される。

特に「単独自営業者」の存在を確保するため、失業給付金II、及び、基礎保証給付金のための資金は合計で約77億ユーロ増額された。経済変動の結果として特に発生する可能性のある保証分野における債務の履行請求のために準備金が約59億ユーロ増額された。

連邦政府は、更に、時短勤務手当の柔軟化や企業の流動性の向上など、従業員と企業の保護策を設置することで合意した。復興金融公庫(KfW)の新規措置による、猶予の付与などの財政的措置や、保証分野ではKfWはこれらのプログラムを実施するために必要な保証を提供している。21

返済義務のある融資とは別に、自営業者、フリーランス、中小企業のための緊急支援制度が創設され、従業員の数に応じて9000ユーロから15000ユーロまでの補助金が3カ月間分として支給された。同補助金は返済の必要がないため、中小企業や自営業者の負担軽減に繋がった。

従業員、自営業者、企業に対する同保護策は合計でドイツ連邦共和国史上最大の支援策となっている。予算に影響を与える措置の総額は3533億ユーロ、保証総額は8197億ユーロとなっている。22

経済安定化基金は1000億ユーロの資金措置、4000億ユーロの保証、1000億ユーロのKfWプログラムのリファイナンスへの参与、中小企業向けのKfW融資は10億ユーロから無制限に供与されている。税の前納金は減額され、延期や執行措置は後払いとなる。従業員の10%が時短労働をし、連邦労働局から手取り給与の60%を受領している場合、企業は、短期間手当として、一年分の社会保障費用相当の償還を受けることが出来る。23

4) 市民への行政支援

パンデミックは、経済的だけでなく心理的にもドイツ国民に厳しい試練を与えている。また、多くの家庭では仕事と育児の両立を強いられ、法的な面でも疑問や懸念がある。コロナに関連した収入の損失のために家賃を支払う事ができず、その結果、住まいを失ってしまうかも知れないという最大の懸念の一つに関し、連邦政府は6月末まで賃貸契約解約を一時猶予する保護措置で対応している。

もう一つの法的な観点には、コロナパンデミックの影響で経済的に困窮している企業や債務超過に陥った企業の経営継続がある。通常支払不能になった企業は直ちに債務超過申請をしなければならないが、同義務は2020年9月まで猶予される。

協同組合、企業、協会、及び、財団を対象に法的簡素化が導入され、今後、集会に関する制限が継続しても、これらの法的形態が活動のために必要な決断を下し、活動を継続していけるようにするというものだ。24

連邦政府の関係省庁は、企業や市民のために、経済、法律、医療関連の質問に答えるための情報ホットラインを設置した。例えば、家庭省では、コロナ危機時の育児に関する情報を保護者に提供している。一般的には、学校や保育所は通知があるまで閉鎖されるが、医療、警察、重要なインフラなど制度関連の(社会の機能を維持するために必要な)職業に従事する保護者は、殆どの場合、子供の「緊急保育」を受けることが出来るが、その方法は州によって異なる可能性はある。制度関連の職業に従事しない保護者で、子供の保育が受けられないため、仕事を継続出来ない場合、純収入の67%を6週間受領できる。企業が時短を申請した場合、子供のいない労働者よりも保護者の方がより高額の継続賃金を受領できるようになっている。26

ソーシャル・ディスタンシング(社会距離)や金銭的・医療に関する不安は国民の負担となっているので、法定健康保険基金と連邦法定健康保険医協会は、データ保護を確実にする特殊な映像ソフトを使用して、心理療法を制限なく継続出来る事を決定した。27

ドイツのうつ病支援財団のような様々な財団は、隔離や在宅勤務における、規則正しい生活リズムの土台の築き上げ方についての情報をウェブサイトで提供しており、不安や心配事を抱える人々が、心理療法以外でもそれについて話す事ができるホットラインを設置している。28

5) 外国籍市民に対するコロナ関連の行動傾向

同危機の社会的・心理的側面として、ドイツでCovid-19が発生して以来、外国人恐怖症、あるいは、それに関連した行動傾向が社会において見られるようになった。差別の影響を受けた人々の為の独立した窓口である連邦反差別庁は、差別を受けた人々のために法的アドバイスを提供しているが、2月には、例えば、民族的な出自の理由で差別を受けたなど、多くの市民からの苦情が寄せられたという。特にアジア系の外見を持つ市民からは、実際の出自や中国との関係を問わず、最近差別を受けたとの報告があった。ある中国人の患者はコロナとは全く違う症状であったにも関わらず、医療診察を拒否されたという。電車の中でアジア系の外見の人の隣の席に座るのを自粛するなど、類似のケースが続出しているという。 29

新聞各紙ではアジア人が差別を受け続け、脅迫や身体的な攻撃さえ受けていると報道されている。3月にはベルリンの音楽高等学校で、中国人の音楽科生徒が、最近中国、若しくは、その他の危険地域に行ったことがあるか否かの確認もなく、入学試験を拒否されたという。30

アムネスティ・インターナショナルによると、既に存在している人種差別的な固定観念と不安感の混合は、メディアでも見受けられるという。例えば、2月初旬にはBild紙が「フォーチュンクッキーを食べても大丈夫か、中国からの小包を受け取っても大丈夫か」という質問をした。ニュース週刊誌「Der Spiegel」は2月の表紙に赤い防具服を着て、呼吸マスクとゴーグルで完全にマスクをした人物の写真とタイトルを掲載した。「コロナウイルス。中国製。グローバル化が致命的なリスクになる時」。どちらの例も、中国の人口全体がウイルスの原因であり、拡散したことを示唆しているだけではない。「Made in China」はまた、ウイルスが意図的に「製造」され、中国から「輸出」されたことを暗示しているようにも取れる。植民地差別の陰謀論にも見られる議論である。アムネスティ・インターナショナルは、人々が連帯して差別的な発言に反応し、異議を唱えるよう促している。31

インターネット上では、このような人種差別の被害者は、ハッシュタグ#「私はウイルスではない」の下でツイッターを介して自分達の経験とそれに対する応答を投稿することで、意識を高め、そのような行動を阻止することを呼び掛けている。32

既述通り、ドイツ連邦反差別庁へは、同様のケースを報告するためだけでなく、差別や事件に対して、法的にどのように対処すべきかにつき、最初の法的アドバイスを受けるために連絡することもできる。ケースによっては、被害者は、損害賠償、名誉頸損、または、人身被害に対する補償を受ける事ができる。28

連邦政府機関とは別に、コロナウイルスに関連した差別や差別全般の被害者は独立した諮問機関の連合体であるドイツ反差別協会に連絡して、個人的かつ法的アドバイスを受けることもできる。33

ドイツでパンデミックが流行する少し前にヘッセン州ハナウで起きたテロ事件は、ドイツには人種差別的で右翼的な過激な傾向があり、それが、暴力行為にまで発展する可能性があることを示唆している。3月21日、政治家は事件の犠牲者を追悼し、アジア人に対する差別はその全体的な傾向を更に強めるため、政治家が目下議論している、より強力な対策が必要であることを再認識した。34

欧州評議会は昨今、人種差別と右翼過激主義に対する対策に関する報告書を発表した。その中で、ドイツ対して、右翼過激主義と人種差別の予防と対策の強化、インターネット上のヘイトスピーチに対するより効果的な措置、および、連邦反差別局の役割と権限の拡大を要求している。35

 

要約すると、コロナパンデミックは既にドイツの経済、社会生活、医療制度、政治情勢に大きな打撃を与えている。経済への被害の規模は、主に公共生活の制限や職場の閉鎖の期間に左右されることは明らかである。同時に、新たな感染症の急激で深刻な増加を防ぐためには、時期尚早な対策緩和をしてはならないことも理解できる。この観点においては、医療制度と経済の利害は対立しており、対策を慎重に検討する必要がある。結局のところ、感染者数が新たに増加し、その結果としての医療制度が崩壊したなら、経済にとって更に深刻な打撃をもたらす可能性があるからである。

ウイルス対策解除後の経済復興の行方は、どれくらいの中小企業が救済され、慣れ親しんだ生産チェーンや貿易関係がどれだけ早く再開できるかにかかっている。

出所

1  BBC; Coronavirus: Stock bounces as volatility continues (last viewed on April 30, 2020)
2  BBC; Coronavirus: A visual guide to the economic impact (last viewed on April 30, 2020)
3  Statista; Coronavirus: OECD slashes Forecast for World Economy (last viewed on April 30, 2020)
4  IATA; COVID-19 Updated Impact Assessment (last viewed on April 30, 2020)
5  IATA; Air Passenger Market Analysis, March 2020 (last viewed on April 30, 2020)
6  Statista; COVID-19 Impact: Restaurant Industry Collapses Due to Widespread Shutdowns (last viewed on April 30, 2020)
7  European Commission; Coordinated economic response to the COVID-19 Outbreak (Page 4, (last viewed on April 30, 2020))
8  IFO Institute; Corona will cost Germany hundreds of billions of euros (last viewed on April 30, 2020)
9  IFO Institute; Business climate index collapses (MARCH 2020) (last viewed on April 30, 2020)
10  ZEIT ONLINE; Witschaftsweise halten schwere Rezesssion für unvermeidbar (last viewed on April 30, 2020)
11  Frankfurter Rundschau; Coronavirus in Deutschland: Erste Großstadt führt Maskenpflicht ein (last viewed on April 30, 2020)
12 Bundesregierung; Maskenpflicht in ganz Deutschland (last viewed on April 30, 2020)
13  Merkur; Coronavirus und Grippe: Das sind die Unterschiede – RKI mit neuer Einschätzung (last viewed on April 30, 2020)
14  RKI; Coronavirus SARS-CoV-2 (last viewed on April 30, 2020)
15  Report of WHO-China Joint Mission on Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) (Page 12 (last viewed on April 30, 2020))
16  Imperial College COVID-19 Response Team; Report 9: Impact of non-pharmaceuticall interventions (NPIs) to reduce COVID-19 mortality and health care demand (Page 1,4,8 (last viewed on April 30, 2020))
17 Bundesregierung; Kontaktbeschränkungen und erste Lockerungen (last viewed on April 30, 2020)
18  Imperial College COVID-19 Response Team; Report 9: Impact of non-pharmaceuticall interventions (NPIs) to reduce COVID-19 mortality and health care demand (page 15 (last viewed on April 30, 2020))
19  HDE; Hilfe für den Einzelhandel (last viewed on April 30, 2020)
20  Bundesfinanzministerium; Corona Soforthilfe: Übersicht der zuständigen Behörden oder Stellen in den Ländern (last viewed on April 30, 2020)
21  Bundesregierung; Nachtragshaushalt 2020 (last viewed on April 30, 2020)
22 Bundesfinanzministerium; Mit aller Kraft gegen die Corona-Krise: Corona-Schutzschild (last viewed on April 30, 2020)
23 Bundesfinanzministerium; Mit aller Kraft gegen die Corona-Krise: Schutzschild für Deutschland (last viewed on April 30, 2020)
24  Bundesregierung; Mehr Rechtssicherheit in Krisenzeiten (last viewed on April 30, 2020)
25  Bundesgesundheitsministerium; Hotlines zum Coronavirus (last viewed on April 30, 2020)
26  Bundesministerium für Familie, Senioren, Frauen und Jugend; Finanzielle Unterstützung für Familien in der Corona-Zeit (last viewed on April 30, 2020)
27  ZEIT ONLINE; Psychisch krank in Quarantäne (last viewed on April 30, 2020)
28  Deutsche Depressions Hilfe; Hinweise an Depression erkrankte Menschen während der Corona-Krise (last viewed on April 30, 2020)
29  Antidiskriminierungsstelle des Bundes; Coronavirus: Gehäufte Anfragen wegen Diskriminierung bei der Antidiskriminierungsstelle des Bundes (last viewed on April 30, 2020)
30  ZEIT ONLINE; Rassismus: Ich.Bin.Kein.Virus. (last viewed on April 30, 2020)
31  Amnesty International; Coronavirus: Keine Rechtfertigung für Rassismus (last viewed on April 30, 2020)
32  Twitter; #ichbinkeinvirus (last viewed on April 30, 2020)
33  Antidiskriminierungsverband Deutschland; Diskriminierung benennen, Betroffene unterstützen, Gleichbehandlung umsetzen (last viewed on April 30, 2020)
34  Frankfurter Rundschau; Kampf gegen Rassismus – gerade in Corona-Zeiten (last viewed on April 30, 2020)
35  Antidiskriminierungsstelle des Bundes; Europarats-Bericht: Deutschland muss mehr gegen Rassismus tun/Antidiskriminierungsstelle des Bundes unterstützt Empfehlungen (last viewed on April 30, 2020)

 

横浜の創造的ブランドがアンビエンテ2020に出展しました!

世界最大級の雑貨等の国際見本市「アンビエンテ2020」でTEXI YOKOHAMAが5年連続となるブース出展をしました。来場者数は台風とコロナウィルスの影響から昨去年より20%ほど減りましたが、TEXI YOKOHAMA は昨年よりも大きくなったジャパンスタイルの展示コーナーで、横浜発の地域ブランドの紹介を効果的に行いました。

今回は、横浜美術大学との協力で製造した「揺れガラス」が主要展示品の一つでした。「揺れガラス」は、従来品の「波紋のガラス」の穏やかな水面を見ているような印象的なデザインを継承し、風や接触の影響でやさしく円を描くように揺れ動くガラスプレートです。

横浜美術大学の教員1名と学生2名もブース対応を行い、プロモーション映像を用いながら製品のデザインから開発に至るプロセスを来場者に紹介しました。大学との連携は、創造的な製品開発を進めていくというTEXIの、新しい取組の一つです。

その他にも、texiの人気製品でネジや接着剤なしで組み立てられる「ブリスターパックの時計」や横浜を代表する産業のひとつ「捺染」を用いて染めていめているエプロンやハンカチーフも展示しました。新しい製品も続々と開発中です。次回のアンビエンテでは、横浜の創造力や技術力を活かした新製品が展示されることになるでしょう。

2019年の出展レポートはこちら

邂逅ワークショップ(独日経済対話)に参加しました!

2019 年11 月20 日(水)

この週は、COMPAMED と対日投資セミナーがあった週でもう一つ、「邂逅ワークショップ(独日経済対話)」という経済イベントがオッフェンバッハ商工会議所で開催されました。このイベントは、オッフェンバッハ商工会議所とフランクフルト商工会議所が主催するビジネス交流のためのワークショップで、毎年、両都市間で交互に開催されています。当事務所からは、コルダツキ職員が参加しました。横浜ブースを設置してビジネスインバウンドに向けたPR を行うとともに、参加者とのネットワーキングを行いました。

今年のメインテーマは「未来の職場環境に欠かせない人口知能」と本年2 月に導入された「日EU 経済連携協定」でした。パネルディスカッションのほか、ワークショップが8本及びネットワーキングレセプションがありました。本市のほか、ブース出展をしていたのは8 団体です。

ワークショップの内容は、「日本における営業」、「日本のビジネスパートナーと接する際の心得と異文化理解」や「ドイツのビジネスカルチャー」等で、経済と文化の理解深化に資する講演でした。

ワークショップ会場には入らずに、出展ブースを周っていた来場者も一定数いたので、そうした方々とのネットワーキングを行いました。スタートアップ企業を立ち上げた方、日本市場に関心を持つ企業者の方、横浜に住んでいた方等が横浜ブースを訪れ、横浜の魅力をPR する絶好の機会となりました。

ジェトロの対日投資セミナーの2つに参加!

JETRO対日投資セミナー in フィンランド、 2019 年11 月20 日(水)

当事務所長はJETRO が主催する対日投資セミナーin フィンランドに参加しました。昨年に続いて2年連続の参加です。セミナーには、フィンランド企業、在フィンランド日系企業等から約80 名の参加がありました。

自治体が登壇するセッションで本市へのビジネスインバウンドに向けたプレゼンを行うとともに、これに続いて開催されたパネルセッションにパネリストとして登壇しました。また、セミナー後のネットワーキングの時間には、本市の企業誘致等に向けたブース出展を行いました。

横浜市からのプレゼンテーションは、日本におけるビジネス拠点として、多くの外資系企業から横浜が選ばれていることや、LIP やITOP といったビジネスプラットフォームの紹介をしました。その後に行われたパネルディスカッションでは、「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)での成功事例や、横浜スマートビジネス協議会(YSBA)を組織して、官民協働でゼロ・カーボン・エミッションの実現に向けた取組をすすめていること」等を紹介しました。

JETRO対日投資セミナー in デュッセルドルフ、 2019 年11 月21 日(木)

MEDICA・COMPAMED に合わせてJETRO が主催した対日投資セミナーin ドイツにも参加しました。会場はCOMPAMED横浜パビリオンに隣接するセミナー会場でした。本セミナーには、ドイツ企業、現地及び日本の自治体関係者約50 名が参加しました。ここでもビジネスインバウンドに向けたプレゼンと、ネットワーキングを行いました。

本市からは、日本におけるビジネス拠点として、多くの外資系企業から横浜が選ばれていること、外資系企業を惹きつける魅力(利便性、コスト、人材、居住環境等)、LIP やITOP といったビジネスプラットフォームの紹介をしました。JETRO のコーディネーションが上手かったこともあり、横浜の魅力をPR する機会となりました。

今年もCOMPAMED2019に横浜パビリオンを設置しました!

11 月18 日から21 日にかけてドイツ・デュッセルドルフで、医療機器の加工技術、部品材料見本市「COMPAMED2019」が開催されました。例年通りですが、世界最大の医療見本市 「MEDICA 2019」との同時開催になります。

横浜からは、横浜企業経営支援財団(IDEC 横浜)が3 年連続となる横浜パビリオンを設置し、市内のベンチャー企業等5社が出展をしました。

MEDICA は、1972 年に第1 回が開催された医療見本市です。出展企業数及び来場者数は増え続け、今日では世界最大の医療見本市となりました。COMPAMED は、医療関連の技術や部品材料を展示する見本市で、1992 年に第1 回が開催、MEDICA との同時開催ということもあり、こちらも年々その規模を拡大してきました。主催者の発表によれば、今年のMEDICA には約5,500 者、COMPAMED には約800 者の出展があり、両見本市を併せた来場者数は約12 万1 千人と、過去最高を記録したとのことです。

横浜パビリオンに出展した企業は下記の5 社になります。うち3 社は3 年連続の出展、1 社は昨年別パビリオンで出展し、1 社は初めての出展となりました。

各社のブースには多くの来訪者があり、過去3年間で最も多い商談及び名刺交換を行うことができました。また、今年は横浜パビリオンに隣接しているセミナー会場をこれまで以上に活用し、IDEC 横浜及びシンクランド社が来場者向けのプレゼンを行いました。

今年のCOMPAMED 参加にあたっては、市内企業の製品・技術のPR をすること以外に、医工連携分野の将来展開を見据え、ドイツでの連携先を探す、という目的も有していました。期間中にドイツの医療系クラスターの担当者と意見交換を行うなど積極的な交渉・調整を行いました。

アジアパシフィックフォーラム2019

バイエルン州フルトで開催されたアジアパシフィックフォーラムに参加しました。このフォーラムは隔年で開催されている経済フォーラムで、FF 事務所として初めての参加となりました。今年は日本がパートナーカントリーを務めていることから、JETRO がジャパンパビリオンを設置しました。当事務所は、この中にブースを設置し、横浜のビジネス環境等に関するPR を行いました。本市以外の自治体では、福島県と神戸市も同じジャパンパビリオン内にブースを出展していました。

ニュルンベルク商工会議所の会長による開会挨拶、バイエルン州経済・地域開発・エネルギー省の副大臣による来賓挨拶がありました。副大臣は、本フォーラムのメインゲストとの位置づけで、開幕前には、木村徹也 在ミュンヘン総領事の案内でジャパンパビリオンにも立ち寄られました。

その後、JETRO デュッセルドルフの所長による講演が行われました。今回は、時間的な制約から各自治体によるプレゼンの時間はありませんでしたが、JETRO デュッセルドルフの所長の講演の中に、本市の紹介スライド1枚を含めて頂き、説明をして頂きました。

ネットワーキングの時間には、横浜のビジネス環境や企業誘致等に関するブース出展を行いました。ジャパンパビリオンは、他のどの出展者よりも目立つ場所に立地していたこともあり、期間を通じて多くの訪問者で賑わいました。横浜ブースには、AI、医療機器、エネルギー、物流等の企業約30 社が来訪して頂きました。LIP やITOP など、本市の特徴的なビジネス環境や、企業誘致に向けた支援策等を紹介できて、横浜のPR&ネットワーキングをする貴重な機会となりました。